数値や画像には映らない、でも確かにそこにある「気のせい」な揺らぎ。
東洋医学という、少し不思議でやさしいレンズを覗きながら、日々の澱(おり)をほどき、心を満たして歩んでいくための静かな備忘録です。

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【香りもまた、激臭である】カードゲーマーの体臭問題と、現代社会を覆う「過剰な足し算」の匂い。

五感をほどくお守りたち
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数年前からSNSやネットニュースでたびたび話題になる、カードゲームショップや大会での「プレイヤーたちの体臭(激臭)問題」。

「お風呂に入ってから来店してください」「清潔な身だしなみを心がけましょう」といった店舗側のお願いや貼り紙がバズり、世間はそれを「マナー違反だ」「不潔だ」と一方的に切り捨て、消毒液をシュッシュと吹きかけるように綺麗に片付けようとします。

もちろん、公共の場でのマナーは大切ですし、ゲームの普及やカードの保護を考えれば、身体を清潔に保つに越したことはありません。

けれど、臨床の現場に立って20年。 日々、多くの患者さんの呼吸や皮膚、そして自律神経のゆらぎを見つめ続けてきた私には、世間が「不潔な悪」と決めつけるこの騒動を眺めながら、どうしても拭えない一つの違和感が湧き上がってくるのです。

世間が『清潔なマナー』だと信じ込んで服や体に振り撒いている、あの過剰な柔軟剤や香水の匂いもまた、誰かの脳や喉を締め上げる強烈な『激臭』なのではないか?」と。


「生の排気ガス」と「過剰な化学の足し算」

カードゲームにガチで挑むプレイヤーたちは、無数にあるカードの効果やかけ合わせを脳内に叩き込み、対戦相手との高度な心理戦に魂(気)を100%注ぎ込んでいます。

脳の自律神経(交感神経)を極限まで尖らせ、目の前の勝負に全没頭しているとき、全身のエネルギーは頭のてっぺんへと上衝しています。 風呂に入る時間や身なりを整える余裕すら引き算して、魂を燃やして没頭しているのだから、その肉体から汗やアドレナリン、そして強烈な生命活動の排気ガス(体臭)が溢れ出てくるのは、生理現象として極めて自然なことです。

それは言わば、勝負に挑む求道者が撒き散らす「生の生命力の排気ガス」です。

一方で、私たちが日常で出くわす「街にあふれる匂い」はどうでしょうか。

満員電車やオフィス、すれ違いざまに鼻を突く、強い柔軟剤や人工香料の匂い。
「嫌なニオイを消さなきゃ」「周囲にいい匂いだと思われたい」という焦りから、化学物質を服や肌に重ね塗り(足し算)し続けた結果、それは他人の喉を強張りさせ、頭痛や吐き気を引き起こす「香害(スメルハラスメント)」と化しています。

生命活動の結晶である自然な汗の匂いには眉をひそめて排除しようとするのに、脳の警戒アラームを直接鳴らすような人工的な化学香料の激臭には麻痺して「清潔」と錯覚している。

この社会のバグのような感覚こそ、現代人の五感をカチコチに麻痺させている「日常の澱(おり)」そのものではないでしょうか。


匂いを匂いで消す「足し算」をやめ、究極の「引き算」へ

ニオイが気になるからといって、上から強い香水の香りを被せる(足し算する)のは、一番やってはいけない悪手です。
嫌な体臭と人工的な香料が混ざり合い、逃げ場のない複雑で地獄のような激臭を生み出してしまうからです。

本当に自分の五感を解放し、過緊張した自律神経を休ませるために必要なのは、香りを足すことではありません。 「匂いを一切残さない、究極の引き算」です。

私が長年の試行錯誤の末に行き着いたのは、化学物質で香りを付ける文化からそっと降り、自分の衣服を「完全な無香(ゼロ)」に戻すことでした。

そのために我が家の生活に欠かせないお守りとなったのが、「シャボン玉せっけん(無添加純せっけん)」です。

香料も、着色料も、蛍光増白剤も、酸化防止剤も一切入っていない。 ただただシンプルな純せっけんで洗い上げた衣類に袖を通した瞬間の、あの「無」の心地よさ。

香りで誤魔化されていない、風がスーッと通り抜けるような、素の衣服の手触り。
そこで初めて、私たちは「自分がどれほど日常の足し算された人工香料によって、鼻や呼吸を疲弊させていたか」にハッと気づかされます。


無香という、一番贅沢なお守りを抱いて

もちろん、カードゲーマーもお風呂には入ったほうがいいですし、柔軟剤や香水を使う際も適量を心がける配慮は大切です。

けれど、街の過剰な人工香料に揉まれ、鼻の奥や喉がカチコチに強張ってしまった夜は、どうか自分の暮らしから余計な香りをそっと引き算してあげてください。

香りでごまかさない、洗いたての無香の布団に包まれて、深く、深く息を吐き出す。

外側の過剰な足し算のノイズをすべて片付けて、静かな「素の自分」に戻る夜こそが、疲れた五感を根底からほどいてくれる、一番贅沢なお守りになります。


🕯️ 五感をほどくお守りたち:洗面所・浴室のお守り

街の人工的な匂いや過剰な足し算に疲れた夜は、香りでごまかすのをやめて、衣類も、髪も、身体も、そっと「無(ゼロ)」に戻してみませんか。

私が暮らしのなかで余計なノイズを引き算し、全身を素の心地よさに連れ戻すために愛用している、洗濯用洗剤から浴用石けん(髪もこれで大丈夫、きしつきが気になる場合はシャボン玉石けんのリンスも一緒に)です。
究極の無香料のお守りたちです。

とふ

臨床20年。鍼灸師の目線で、世の中をふんわりと眺めています。
日常のあれこれも、結局は「全部、気のせい(気の状態)」。 そんな風に感じたこと、見つけたことを、気ままに書き留めておく備忘録です。

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