せんねん灸に興味を持たれた方が、まず初めに調べるのはオススメのツボだと思います。
どんな症状に効くのか、どこにせんねん灸をすれば良いのかわかりませんもんね。
今回はせんねん灸を実際に利用する際に押さえておきたいツボ探しのコツや注意点をお伝えしておこうと思います!
ネットの情報は参考程度に
ネットで検索すれば、オススメのツボはいくらでも出て来るかと思います。
- 便秘に効くツボ
- 自律神経に効くツボ
- 頭痛に効くツボ
- 腰痛に効くツボ
実際、せんねん灸の公式ホームページでもオススメのツボはたくさん掲載してあります。
ですがこれらは「一般的に効くとされているツボ」という前提があります。
ツボの場所は人によって違う
鍼灸学生時代に先生から教わって、今でも印象に残っている話があります。
教科書に載っているツボは、地図でいう所の〇丁目位までの目安です。そこから先は実際に探さないと本当の意味でツボの力は発揮してくれません。これを探せる鍼灸師になってください。
ツボの位置が教科書通りではないんだなぁというのは、実際に現場に立って実感しています。
ほんのちょっとズレていると感じる事もあれば、指一本分くらいズレている事もざらにあります。
せんねん灸は台座部分が大きいので、過度に気にする必要はないんですけどね笑
また、先生や流派によってはツボの場所がそもそも違う事もあります。
これは一般の方は混乱してしまうかも知れませんが、何ら不思議な話ではありません。
それぞれの流派や先生方が研究した結果ですので、先生やセルフケアサポーターの方の言う通りにツボを選ぶべきだと思います。
ネットの情報は、あなたの体を診ていません。
体に合ってないツボは灸あたりのリスクがあがる
ネットの情報だけを頼りにツボを選んでお灸をしても、そのツボに反応が出てなくては効果が思うように出ない事は多々あります。
それどころか、やり過ぎてしまえば灸あたりの症状が出てしまう事もあります。
やり過ぎてしまえば…というのもまた正確にお伝え出来ているか不安です。
やり過ぎの基準も人によって違うからです。
刺激に対して鈍感と思っている人程、灸あたりの症状が出る事もあります。
ハウツー的なツボ選びをするのは簡単なのですが、出来るだけ自分の体と向き合って、一日の中で数分で良いので体の声を聞くようなイメージでツボ探しをして、せんねん灸を使ってセルフケアをする。
そんなせんねん灸の使い方を推奨したいです。
ツボの探し方のコツ
少し前置きが長くなってしまいましたが、ツボ探しのコツをお伝えしていけたらと思います!
一般の方でも聞き馴染みのありそうな「合谷」を例にします。
基本的なツボの取り方は、せんねん灸のホームページに記載されている内容を引用させて頂きます。
親指と人さし指の骨がまじわったところから、やや人さし指よりのへこみが合谷です。
https://www.sennenq.co.jp/knowledge/tubo_tetoashi.html#tsubo-01-p01-modal
これを元に、このツボが自分に合っているかの判断をどのようにするのか、わかりやすい方法として二つ程お伝えしたいと思います!
余談ですが、つぼブックというものがせんねん灸から出ています!
イラスト付きでわかりやすくツボの場所が書かれています。
(ハウツー的なツボの解説も載っていますが…)
ほとんどがせんねん灸の公式サイトでも載っているツボになるので、無理に買う必要はないのですが、紙媒体でツボの本が欲しい方にはピッタリだと思います。
中はバインダーになっていて、気になる所だけ取り出す事も出来るので便利です!
押した時の痛み、心地よさ
まず一番わかりやすい判断方法として、ツボを押した時の痛みや心地よさがあります。
ツボの周囲と比べて、ハッキリと痛みを感じる部分はツボとして考えて問題ないと思います。
ツボの押し方にもコツがあります。
合谷で言うと、人差し指の骨に対して垂直に押せているかによって痛みの感じかたが大きく変わります。
動画を見て頂けるとわかるのですが、軽く手を握った形で、側面から押してるように見えますよね。
これが手をパーに開いた状態で上から押す時では、感じ方が大きく変わってしまいます。
他のツボの時も同様に、軽く押しながら探るように動かしたり、体勢を少し変えてみたりすると痛みや心地よさを感じるポイントが出て来るはずです。
グイグイ押さなくても大丈夫!軽く押しただけで心地よさを感じるはずです。
ツボの左右差
もうひとつ、大事なポイントとなるのが左右差です。
合谷で言えば、左右どちらを押しても痛みや心地よさを感じる場合、それは合谷に反応が出ているわけではない可能性があります。
どちらも痛みや心地よさを感じない場合も同様です。
※先生によっては、痛みが左右共に同じようにあるならどちらもお灸するべきと考えている先生もいらっしゃいますので、実際にお体を診てもらっている先生に判断を委ねて下さい。
また、最初は難しいと思うのですが皮膚表面の緩みや盛り上がりもツボの反応として判断するのに有効です。
院内でお灸をする時は、皮膚の緩みや盛り上がりを基準にしています。
手の力を出来るだけ脱力させ、優しく触るイメージで皮膚表面をなでて比べるとわかるかも知れません。
最初はわからなくても、毎日お灸を続けていく中で自分の体に触れる習慣が着くと「あれ、今日はいつもと触った感じが違うなぁ」と感じる日が来るかと思います。
この左右差がわかるようになってくると、ツボの位置が毎日微妙に変わっているのに気付く事が出来ます。
生きて働いているツボという表現をする先生もいらっしゃいます。
この感覚がわかると、お灸をするのが更に楽しくなってきます。
今後、オススメのツボを提案していく時もこれらのコツを前提にお考え下さい。
オススメのツボは人によって違います
実際に当院にいらっしゃった患者さんに自宅でのお灸をお願いする時には、一度院内で脈を診ながらせんねん灸をしてみます。
脈の変化が過剰に出る場合もあるからです。
実際に鍼灸院の先生や、セルフケアサポーターの方にご相談頂くと、本当に体に合っているツボなのかの判断が出来ます。
不安な方は是非ご相談下さい
今回の投稿でお伝えしたい事をまとめます!
- 万人に効く、オススメのツボは存在しません
- ツボの位置は毎日変わると思って下さい
- 効きが悪いなと思ったら、もう一度左右差を比べてみて下さい
お灸のハードルが少し上がってしまったかも知れませんね。
ですが、せっかく興味を持ってもらったせんねん灸です。
自分に合ったツボを探せるようになってセルフケアをして頂けたらと思います。
ネットに書いてある情報だけで判断するのではなく、実際に毎日自分の体に数分でも触れて今日の調子を確認してみてください。
忙しい毎日の中で、ほっと一息つける時間をせんねん灸をきっかけに作って頂けたら幸いです!
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