🕯️「気のせい」なゆらぎを、お灸でそっと整えて。

数値や画像には映らない、でも確かにそこにある「気のせい」な揺らぎ。
東洋医学という、少し不思議でやさしいレンズを覗きながら、日々の澱(おり)をほどき、心を満たして歩んでいくための静かな備忘録です。

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【漫画読書とお灸】「正しさ」を急ぐ親の過緊張。横に広がる余白に戻る養生。

日々を養生する
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「ちゃんとした本」を読ませたいという、愛ゆえの過緊張

「子どもが漫画やライトノベルばかり読んでいて、活字の小説やためになる新書を手に取らない」

そんな親御さんの切実な悩みを扱った記事を目にしました。語彙力をつけてほしい、将来困らないように読解力を養ってほしい。そう願う親心はごく自然な愛情ですし、真面目に子育てに向き合っているからこその不安だと思います。

けれど、臨床の現場で多くの親御さんの身体を拝見していると、この「もっとためになるものを」「早く成果につながるものを」という焦りが、知らず知らずのうちに頭をのぼせさせ、全身を強張らせていることに気づかされます。

「勉強とはこうあるべき」「読書とは高尚な活字であるべき」。そうした正しさの型に当てはめようとするとき、私たちの呼吸は浅くなり、眉間にはうっすらと力が入り、気が頭へと駆け上がってしまうのです。

縦のハシゴを急ぐより、横への広がりを面白がる

東洋医学では、頭に熱がこもって足元が冷え切っている状態を「上実下虚(じょうじつかきょ)」と呼びます。
現代の効率主義や、他者との比較のレースに巻き込まれると、私たちはどうしても「縦のハシゴ」をどれだけ速く登れるかばかりを気にしてしまいます。

しかし、生命の本来の力(正気)というのは、縦に急いで背伸びをすることではなく、地面にしっかりと根を張り、野原のように「横の広がり」を持つことの中に宿っています。

子どもが漫画のコマ割りから感じ取る躍動感や、ライトノベルの軽やかな台詞回しに心を弾ませる時間。それは、役に立つ・立たないという数値化できる物差しからはみ出した、豊かな感性の横への広がりです。川の水が岩を巡りながらゆったりと流域を広げていくように、寄り道や無駄の中にこそ、その子だけの瑞々しい土壌が耕されていきます。

何かを身につけさせようと「足し算」ばかりを焦る手を少し止めて、「こうでなければならない」という大人の気負いを引き算してみる。横に広がるその子の世界を面白がる余白こそが、巡りの良い身体と心を育てる一番の養分です。

頭の熱を下ろし、足元を手当てで温める

子どもに対して「早くちゃんとしてほしい」と過緊張になっているときは、子どもを変えようとするのではなく、まず自分自身の熱を下げるのが先決です。

湯気を立てる温かいお茶を淹れて、一口ゆっくりと喉を通してみる。
そして、床に腰を下ろし、冷えている足元を両の手でそっと包み込んでみてください。

足の甲やくるぶしのまわりを手当てするように温め、やわらかな温熱のお灸を据えてみる。足元にじんわりと熱が灯ると、頭に上っていた気がすうっと下りてきて、深いため息とともに肩の荷が下りていくのを感じられるはずです。

「まあ、今あれだけ何かに夢中になれているなら、それで十分じゃないか」

自分の身体に温もりが戻ってくると、不思議と目の前の子どもの姿を、ありのまま丸ごと信じて見守るゆとりが生まれてきます。

おわりに

育児も、自分自身の暮らしも、縦の競争から一歩降りて、横へと広がる余白を楽しんでみる。生身の体温を取り戻す養生を、毎日のなかに小さく取り入れてみませんか。

とふ

臨床20年。鍼灸師の目線で、世の中をふんわりと眺めています。
日常のあれこれも、結局は「全部、気のせい(気の状態)」。 そんな風に感じたこと、見つけたことを、気ままに書き留めておく備忘録です。

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